現場レポート

塩釜建築作業所

1. はじめに

当現場は、観光遊覧船や市営汽船の発着所であるマリンゲート塩釜の海を挟んだ北側の北浜地区に位置しています。東日本大震災による甚大な津波被害を受けたエリアの再建を目的とし、北浜地区被災市街地復興土地区画整理事業として平成26年7月に造成工事に着手しました。その後災害公営住宅の建設について、塩釜市は宮城県と協定を締結し、技術提案型総合評価方式で当社が落札しました。

土地利用計画

土地利用計画

塩竈市北浜地区復興事業計画のイメージ

塩竈市北浜地区復興事業計画のイメージ

工事概要

工事件名 塩竈市北浜地区第1期災害公営住宅新築工事
発注者 宮城県知事 村井 嘉浩
工期 平成27年9月5日~平成29年1月31日
構造 鉄筋コンクリート造
階数 5階
戸数 31戸
延床面積 2,444.62m2
最高高さ 17.47m

2. 建物の特徴・作業所の構成メンバー

建物の特徴は、1階部分を物置・駐輪場を備えたピロティ形式とし、2階から5階が居住スペースとなっており、万が一津波による浸水においても居住空間を確保しています。各戸の大きさは2DK(57㎡)を主体に、1DKから4DKまでのバリエーションを備え、車椅子でも十分回転可能なように玄関前の廊下幅員は1.5m確保。住居内においても段差を2cm以内に抑え、バリアフリー対応となっております。

作業所の構成メンバーは、黒田所長(監理技術者)、稲村担当所長(現場代理人)、浅野副所長、佐久間茂樹(派遣)、小松由美(派遣)の計5名で現場を管理しています。

完成予想図

完成予想図

3. 工事の状況

平成27年10月下旬から仮囲いを整備し、その後杭打ち工事に着手しました。杭工事は、鋼管杭と既製コンクリート杭を合せたHybridニーディング工法を採用しており、従来工法に比べ支持力と施工管理を強化した高支持力杭工法で、よりコストパフォーマンスが高く環境にも考慮した基礎杭を構築しています。

平成28年1月からは山留工事、基礎工事を進め、3月末時点で工事全体の進捗率は20.5%、現在は1階床コンクリート打設まで終了し、今後1階から5階まで地上部分の躯体及び仕上げ工事を進めていく工程になっていきます。

杭工事状況(Hybridニーディング工法)

杭工事状況(Hybridニーディング工法)

1階躯体工事中

1階躯体工事中

4. 創意工夫により品質向上と安全上の配慮に寄与

当該地は海から近い場所にあり、塩害による建物の損傷が懸念されるなか、特にコンクリートの品質確保に努めている。そのひとつが、通常よりも鉄筋かぶり厚さを増やすことにより、コンクリートに浸入する塩分が鉄筋を腐食させることを防止しています。安全については、隣接するJR仙石線の影響を考慮し、クレーン作業はリミッター制御付の重機を選定することとレーザーバリアによる警報監視システムも導入することによるダブル抑制措置を講じて作業にあたっています。

レーザーバリアの位置を示す

レーザーバリアの位置を示す

鉄筋かぶり厚を確保するためのスペーサーを種類毎に「見える化」

鉄筋かぶり厚を確保するための
スペーサーを種類毎に「見える化」

前の日にプロジェクターを用いた打合せ内容を朝礼看板に掲示する取組みによって作業員への正確な情報伝達と周知徹底を図っている。

前の日にプロジェクターを用いた打合せ内容を朝礼看板に掲示する取組みによって、作業員への正確な情報伝達と周知徹底を図っている。

四方感知バー付き立ち馬を使用することにより、手摺の着け忘れを防止

四方感知バー付き立ち馬を使用することにより、手摺の着け忘れを防止

壁配筋時、「おあずけ君」による横筋を配置し、鉄筋結束器を使用して生産性を向上させている鉄筋工

壁配筋時、「おあずけ君」による横筋を配置し、鉄筋結束器を使用して生産性を向上させている鉄筋工

5. 女性目線で環境改善

当現場では、女性技術者の視点で現場の環境改善に取り組んでいます。皆が快適で楽しく働くことが出来るようにと、服装のチェック、産廃かごの整備、現場事務所への安全通路に犬走りを整備するとともに整理整頓が行き届いた作業ヤードを常に意識して現場管理にあたっていました。

女性目線で環境改善
現場の取組みを説明する浅野副所長(整理整頓が行き届いた作業ヤード)

現場の取組みを説明する浅野副所長(整理整頓が行き届いた作業ヤード)

6. 現場の方針

現場では「ルールを守って震災復興、全員参加でゼロ災害を徹底する」をスローガンに、「作業所のルールを愚直に守る」「精度が高く、品質の良い建物を安全に施工していく」と常に心がけている。

スローガンを述べる黒田監理技術者

スローガンを述べる黒田監理技術者
抱負を語る稲村現場代理人

「海に近い地理的条件により強風の日が多く、飛散物によるJR仙石線の架線への影響や、クレーン作業時の転倒防止など堅固な安全対策がかかせない。入居予定の住民や発注者への期待にこたえるためにも、無事故で工期内に完成させたい」と抱負を語る。

抱負を語る稲村現場代理人

7. おわりに

これから工事は地上部分の工事を進めていくにつれ、各種専門工事業者が増えていくことからより一層作業が錯綜していきます。発注者や協力会社と綿密な打ち合わせを行っていき、無事故・無災害で完工できるように進めていきます。

左から〈副所長:浅野 はるか〉〈派遣技術員:佐久間 茂樹〉〈所長:黒田 利彦〉〈担当所長:稲村 強〉〈派遣技術員:小松 由美〉

左から〈副所長:浅野 はるか〉〈派遣技術員:佐久間 茂樹〉〈所長:黒田 利彦〉
〈担当所長:稲村 強〉〈派遣技術員:小松 由美〉

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